誕生日プレゼントが届いた。
自分で買ったやつだが。
- ボッタルガ(カラスミ)
- 『光村ライブラリー【中学校編】1 赤い実ほか』
- シェーブルチーズ
届いてみて驚いたのは、カラスミはボラの卵巣っていうことは知っていたんだけど…
ボラって、こんなにでっかいんだな。
今日はこのうち、カラスミと、この本についての話。
チーズについても書いたのだが、無駄に長くなったので割愛した。
こういった没ネタが結構あるので、ネタがないときに使うかもしれない。
なぜカラスミを…
私がカラスミという食べ物の存在を知ったのは、
国語の教科書に載っていた『おいのり』という作品である。
この話の中に、カラスミが名前だけ出てくる。
ECサイトに陳列されているカラスミを見たときに、急激にその話のことを思い出した。
読みたい。タイトルがわからんけど。
その時にはタイトルは思い出せていなかったが、
「カラスミ」「国語の教科書」というポイントを覚えていたので、検索すると…
まさかのヒットあり。三木卓『おいのり』。
私が中学の頃、光村図書出版というところの国語教科書を使っていたのだが、
その教科書に掲載していた作品をまとめた『光村ライブラリー』というシリーズがあるらしい。
その第1集に載っているとのことだった。買った。
短い話だが、ストーリーは以下のような感じだ。
中学以来のこの作品を、改めて読んでみた。
教科書に載っているのは、10ページ程度。
何かの小説の一部分(抜粋)かと思いきや、これで全量。短編作品のようだ。
運ばれていったユウゾウさんがどうなったのかは描かれていない。おそらく死んでしまったのだろう。
普段のユウゾウさんの優しさと対比するようなユウゾウさんの孤独が仄めかされており、
哀愁の漂う話である。
持ち回りで音読をしたからか、セリフや擬音なんかも案外覚えていて
「ああ、これやこれ!」と懐かしく思った。
今では信じられんが、当時は音読が好きで、そういう仕事に就きたいとか抜かしていた事や、
「男盛り」を「おとこもり」と読んだ子が居て、笑いが起こったことなんかも思い出したりした。
でも、この作品の男盛りは、ルビが振ってあるから、別の作品での出来事かも。
件の作品集は、挿絵も当時の教科書に掲載されていた通りのものだった(ように思われる)。
記憶の通り、枠外にカラスミの説明もちゃんと載っていた。いい仕事をしてくれる。
ちょっと高かったけど、懐かしい気持になれて、買ってよかったと思った。
なお、作中ではカラスミはただ名前が出るだけである。
「ボラやサワラの卵巣を塩漬けにしたあと、干して固めた食品」と枠外に補足説明があり、
まさにこの補足説明でカラスミを知ったのだが…なぜそんなところを覚えていたのだろう。不思議だ。
逆に、この作品のタイトルや、しゃべるネコが登場人物(ネコ目線の話)だということ、
キーワードとなる「ユウゾウさん」「おいのり」については、
読み返すまではぜんぜん思い出せなかった。
作品自体のことはおぼえてなくて、カラスミだけ強く記憶していたっていうことになるが…
ええ…感性がおかしくない?
「さあ、みんな。ユウゾウさんが早く良くなるよう、ネコのおいのりをするんだ。」
みんな、じっとして動かず、首を垂れました。
(中略)
「よし、ネコのおいのり、やめ。」しっかりした声で、ダイジロウが言いました。
『光村ライブラリー【中学校編1】赤い実ほか』29頁、及び31頁(『おいのり』三木卓)より引用
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