古文書講座の話。

どうやって読むのか

こういうのをどうやって読み解いていくのかというと
(ぱっと見で普通に読み取れるものもあるのだが)

  1. 偏や旁などが、部首を読み取り、小字典でそれらしき文字を探す。
  2. 形が独特なモノは、そもそものくずし字の形を覚える
  3. 前後の文脈から読みとる

こんな感じである。

基本は1。大原則として字典頼み。
この部首は金偏やろなあ…といったようにアタリをつけ、字典で金偏の文字を全てあたっていく

字典には各文字と、その崩し例が載っているので、これかな?と思う文字があれば、それと推定する。
当然活字ではないので、完全に一致することはなく、若干不安である。

更に、部首の時点で、そもそも推測だったりする。同じ崩し方になる部首があるのだ。
例を挙げると、さんずい(氵)と人偏と行人偏は同じ崩し方である。
さんずいをみて、それらしき文字がなかった。じゃあ次は人偏…と、
異なる部首についても総ざらいする必要がある。1文字特定するのにかなり労力がかかる。

2のパターンは、部首が読み取りづらいものとか、
独特な形状なので字典を引きにくく、形を覚えたほうが良いモノ。先述の「此」や「無」が該当する。
「ムナ」のように、「一発目は面食らうが、覚えやすい」連中はいいのだが
「無」のように別の漢字に見えたりして覚えにくかったり、パターンが豊富なものがあり厄介。
知らない文字でかつ、部首も推定できないとなると、お手上げである。

3は、単純に読めない場合や、複数の候補がある場合など。
テキストにも
「この文字単独ではA、Bどちらの文字とも取れるが、Aでは前後の文脈が繋がらず、Bとわかる」
とか書いてあって草ァ! 読めてへんやんけ!

銭形平次の例でも、○形平次がわかれば、読めないところは銭と推測できるし、
隣の小さい碑も、普通に見ると八○郎となるが、
八五郎という登場人物を知っていれば、真ん中の文字が五のくずし字とわかる。

これはまあ、なにも古文書特有ではなく、手書きの文章の中に怪しい文字があっても、
前後が読み取れれば推測できる場合がある。ということである。

このサイトの稲川淳二の「か」みたいなものである。

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